建物詳細　木造２階建て住宅
屋根材　　セメント瓦
相談内容
「鬼瓦がズレているので点検させてください」と訪問業者が来て、点検してもらった。
点検してもらうと、「瓦全体が劣化しているから葺き替え工事を行う必要があります。今すぐ契約すれば値引きします。」と言われ、不安になってこちらに相談させてもらった。

契約を急かしてくるのはあまりいい業者であるとは言えません。当店でも屋根の調査を改めて行います！

片方の屋根はセメント瓦の塗膜が劣化しており、色褪せや苔の発生が見られました。

セメント瓦の原料であるセメントには防水性がない為、表面に塗膜を持たせて防水性を保っています。しかし、経年劣化で塗膜が剥がれてくると、水が染み込んで割れや苔・雨漏りなどの原因になります。

もう片方の棟の屋根もセメント瓦ですが、少し塗膜は劣化しているものの、平瓦については綺麗に並んでいます。

恐らくもう一方の屋根よりも後にメンテナンスを行われたようです。
▶セメント瓦とモニエル瓦、塗り替えを必要とする瓦の最適なメンテナンス方法

瓦がズレて隙間ができています。

こちらの瓦屋根は漆喰と葺き土によって瓦が固定されているようですが、それらが劣化してくると、瓦の固定力も落ちてしまい、ズレや剥がれが起きやすくなります。
隙間がある状態なので、雨漏りに繋がる可能性も高くなっています。
▶雨漏り修理・雨漏り改修工事は街の屋根やさんへ

瓦の劣化程度が軽い方も、壁際の瓦がズレていました！

全体的に壁際の瓦にズレが生じており、壁際の板金もかなりめくれあがっている為、壁際から雨水が入り込んでしまう可能性もあります。

壁際の瓦に塗っている漆喰が割れていました。

漆喰は紫外線の影響や、水分の吸収と乾燥を繰り返すうちに徐々に痩せて割れやすくなります。
漆喰には瓦を固定したり隙間を埋める為の役割がありますが、割れていてはその役目を果たす事ができません。
漆喰は瓦よりも寿命が短い為、定期的にメンテナンスを行う必要があります。
▶傷んだ漆喰の詰め直し、棟瓦の取り直しで瓦屋根を健全に保つ

鬼瓦が剥がれかけています！

こちらも漆喰の劣化により、鬼瓦の固定力が落ちてしまった為と考えられます。
恐らく最初に来た訪問業者も、この鬼瓦のズレを下から見て屋根点検させてくださいと言ってきたのでしょう。
鬼瓦は棟の先端に取り付けている瓦である為、屋根の下からでも目視で確認できる事があります。一度皆様ご自身でも目視でご確認される事をおススメします。
▶くれぐれも屋根には上がらないようにしてください！

提案内容

・瓦ズレの補修
・壁際の瓦を一部葺き直し
・割れた漆喰の補修
・鬼瓦の補修

お客様に屋根の状況と工事内容のご説明を行い、後日お見積り書をご提出しました。
その後お客様から工事のご依頼もいただきましたので、次回は工事の様子をご紹介します（＾＾）

『値引きをする代わりに今日中に契約してください！』と、お客様に考える隙を与えずに契約を急がせるのは、悪徳業者の常套手段です。
しかし、実際工事を行うと追加料金が発生したり、適切な工事を行われていないケースも多いのが事実です。
契約を行う前には不明点や工事内容をしっかり確認するだけでなく、会社の評判や施工実績も調べてから契約する事をおススメします。
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