瓦の表面が剥離したように割れるのが、凍て割れの特徴です。
特に冬季に頻発し、建材の耐久性を大幅に低下させる原因となります。
水分が凍ると体積が約10％増加します。水分の膨張と収縮を繰り返すことで瓦内部に圧力がかかり、最終的にひび割れや破損を招きます。
凍て割れが起きると屋根全体の防水性能や耐久性を損なうため、早急な対策が必要です。
【参考】屋根・瓦・漆喰の凍害を防ぐ！たった２つの方法

瓦だけでなく、棟（むね）の漆喰も凍て割れの被害で剥離していました。
漆喰が剥がれた事で内部の葺き土が流出しています。
棟瓦を固定している漆喰や葺き土が崩れてしまうと、棟瓦が崩壊する危険もあります。
放っておくと状況がどんどん悪化する事になります。
【参考】傷んだ漆喰の詰め直し、棟瓦の取り直しで瓦屋根を健全に保つ

瓦には過去にひび割れをコーキングで補修した跡も見られます。
こちらは、凍て割れではないひび割れを補修した跡のようです。

数枚程度のひび割れであればコーキングで補修できる事もあります。
しかし、凍て割れの割れ方は破片も細かく、コーキングで補修できないケースがほとんどです。
また、今回は凍て割れの範囲も広い為、コーキング補修では補修が追いつきません。

お客様が200枚ほど予備の瓦を保管されていました。
その為、こちらの予備瓦使い、足りない分は補充して葺き替え工事を行うようにご提案しました。
葺き替え工事は新しい瓦が大量に必要で、材料費も高くなりがちですが、予備瓦を使う事で材料費を少しでも抑える事ができます。
また、こちらは土葺きの瓦屋根であるため、屋根の重量が大きく、下地が老朽化している可能性も高いです。
葺き替え工事では傷んだルーフィングなども修理でき、屋根の軽量化が行えるメリットもあります。
【参考】土葺き瓦屋根を葺き替えで地震・台風に強く！おすすめ屋根材は？

提案内容

・既存瓦の解体撤去
・瓦葺き替え
（ゴムアスファルトルーフィング、桟木、強化棟金具使用）

お客様には後日、葺き替え工事のお見積りを提出し、工事のご依頼をいただきました。
▶工事の様子はこちら

今回は「瓦屋根の凍て割れ」の症状や原因、対処法についてご紹介しました。
凍て割れは瓦屋根だけでなく、スレート屋根や外壁でも起きる事があります。
凍て割れのような症状がある場合は、雨漏りや瓦の落下など大きな被害に繋がる前に屋根工事専門店にご相談くださいね。
「これって凍て割れ？」「屋根瓦が割れている」というお悩みがありましたら、街の屋根やさん熊本店までお気軽にご相談くださいね。

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