熊本が生んだ“セメント瓦” 特徴から劣化サイン、最適メンテナンス完全ガイドを地元屋根工事プロが解説
2025年10月30日更新
「屋根の色が随分と褪せてきたな」「そろそろメンテナンスが必要かな?」
築30年を超えたお宅にお住まいの方なら、ふとした瞬間にそんな不安を感じたことがあるかもしれませんね。
特に熊本県内には、セメント瓦を使った住宅がたくさん残っています。
実はこのセメント瓦、大正7年に熊本で誕生し、全国に広まったという歴史があるんです。
街の屋根やさん熊本店にも、「色褪せが気になる」「コケが生えてきた」「台風の後、瓦が割れていないか心配で…」といったご相談が日々寄せられています。セメント瓦は耐久性に優れた屋根材ですが、定期的なメンテナンスを怠ると雨漏りや建物の寿命を縮める原因になってしまうんです。
この記事では、熊本発祥のセメント瓦について、その特徴から劣化のサイン、メンテナンス方法、そして実際の費用感まで、地元の現場で積み重ねてきた経験をもとに詳しくお伝えします。ご自宅の状態に合った最適なメンテナンス方法を、一緒に見つけていきましょう!
1. セメント瓦とは?熊本発祥の歴史と特徴
1-1 大正7年、熊本で生まれた屋根材
セメント瓦は、その名の通りセメントと砂を主原料として作られた屋根瓦です。
大正7年(1918年)に熊本県で誕生し、その後全国へと広がっていきました。
当時、陶器瓦(粘土瓦)は高価で手が届きにくかったため、安価で製造しやすいセメント瓦は瞬く間に人気を集めたんです。
特に昭和30年代〜平成10年頃までは、九州や四国地方を中心に多くのお宅で使われており、昭和53年には熊本県内だけで組合員数が150社を超えるほどの盛況ぶりだったそうです。
現在でも、築30年以上のお宅を訪問すると、セメント瓦が使われているケースに頻繁に出会います。
当時、陶器瓦(粘土瓦)は高価で手が届きにくかったため、安価で製造しやすいセメント瓦は瞬く間に人気を集めたんです。
特に昭和30年代〜平成10年頃までは、九州や四国地方を中心に多くのお宅で使われており、昭和53年には熊本県内だけで組合員数が150社を超えるほどの盛況ぶりだったそうです。
現在でも、築30年以上のお宅を訪問すると、セメント瓦が使われているケースに頻繁に出会います。
1-2 セメント瓦と陶器瓦の違い
「瓦」と聞くと、焼き物の陶器瓦をイメージする方が多いかもしれません。しかし、セメント瓦は全く別物なんです。
陶器瓦は粘土を高温で焼いて作るため、塗装が不要で50年以上持つと言われています。
一方、セメント瓦は型枠にセメントと砂を流し込んで成形するため、表面に塗装を施すことで防水性を持たせています。
この塗装は経年劣化するため、10年〜15年ごとのメンテナンスが必要です。
見た目は似ていますが、メンテナンス方法が全く異なるので、ご自宅の屋根がどちらなのかを把握しておくことが大切です。
一方、セメント瓦は型枠にセメントと砂を流し込んで成形するため、表面に塗装を施すことで防水性を持たせています。
この塗装は経年劣化するため、10年〜15年ごとのメンテナンスが必要です。
見た目は似ていますが、メンテナンス方法が全く異なるので、ご自宅の屋根がどちらなのかを把握しておくことが大切です。
1-3 セメント瓦の長所
| 耐用年数が長い(30〜40年) | 一般的に耐用年数が30〜40年程度とされ、スレートや金属屋根の「20〜30年」に比べると長く使えたというデータもあります。 |
| 優れた耐火性 | セメントそのものが“不燃材料”としての性格を持っており、火災時の拡がりを抑えやすいというメリットがあります。 |
1-4 セメント瓦の短所
| 定期塗装が必要 | セメント自体には防水性がないため、表面に塗装を施して「防水」の役目を担わせています。塗装が劣化すると雨水が瓦自体に染み込み、建物内部に悪影響が出る恐れがあります。 |
| 割れが起きやすい | 寿命を超えたり、防水性が低下しているセメント瓦は割れが起きやすくなります。 |
| 廃盤になっている | 現在セメント瓦はほとんど製造されていないため、同じ瓦を手に入れるのが難しいという問題もあります。 |
2. こんな症状が出たら要注意!メンテナンスが必要な劣化サイン
2-1 色褪せ 塗装劣化の初期症状
これは塗装が劣化している初期症状で、セメント瓦の防水性が低下しているサインです。
【セメント瓦の塗膜が劣化していた現場】熊本市中央区でセメント瓦の屋根葺き替えのご相談がありました
2-2 コケや藻、カビの繁殖
コケを放置すると瓦の中に根を張り、瓦自体の耐久性が大きく低下します。
菊池郡菊陽町で雨漏り被害の調査を行った際も、コケが広範囲に繁殖していたセメント瓦が原因の一つでした。
【現場の様子】菊池郡菊陽町|葺き替え工事を検討中のセメント瓦屋根で現地調査
2-3 瓦の割れやズレ
この膨張と収縮の繰り返しで負荷がかかり、ひび割れが起こり、最終的には瓦のズレにもつながります。
割れやズレの隙間から雨水が浸入すると、雨漏りの原因になるだけでなく、屋根下地材の防水シートの劣化や野地板の腐食を招いてしまいます。
上益城郡益城町の住宅でも、塗膜の劣化が進行し、割れやズレが発生していました。
【現場の様子】上益城郡益城町 屋根のセメント瓦にズレや割れ、塗膜のめくれなど老朽化の症状!
2-4 屋根下地の劣化
セメント瓦の劣化が進むと、瓦だけでなくその下にある防水シートや野地板も傷んでいるケースがあります。
現場で瓦をめくってみると、防水シートが破れていたり、野地板が腐食していたりすることも少なくありません。
こうなると、瓦の修理だけでは対応できず、下地の補修や葺き替えが必要になります。
熊本市北区の現場では、セメント瓦の劣化が進行し、屋根下地のへこみも発生していました。
【現場ブログ】母屋と納屋の屋根葺き替え希望で現地調査
現場で瓦をめくってみると、防水シートが破れていたり、野地板が腐食していたりすることも少なくありません。
こうなると、瓦の修理だけでは対応できず、下地の補修や葺き替えが必要になります。
熊本市北区の現場では、セメント瓦の劣化が進行し、屋根下地のへこみも発生していました。
【現場ブログ】母屋と納屋の屋根葺き替え希望で現地調査
3. メンテナンスの方法
3-1 部分補修
瓦の軽微なひび割れ等がある場合は、部分的な瓦の交換や補修などで対応できるケースもあります。
交換の際は同じ瓦が生産終了になっていることがほとんどですので、予備の瓦や同じ形の陶器瓦に交換します。
ひび割れが軽微な場合、防水性のあるコーキングで補修を行います。
【施工事例】熊本市中央区にて割れ・ズレのあるセメント瓦にコーキングで瓦修理
交換の際は同じ瓦が生産終了になっていることがほとんどですので、予備の瓦や同じ形の陶器瓦に交換します。
ひび割れが軽微な場合、防水性のあるコーキングで補修を行います。
【施工事例】熊本市中央区にて割れ・ズレのあるセメント瓦にコーキングで瓦修理
3-2 塗装
セメント瓦は10年ごとの屋根塗装が推奨されています。
防水性が弱まり、表面に劣化が見られる場合や、前回の屋根塗装から10年〜15年が経過している場合は、塗装が必要です。
ただし、寿命を超えたセメント瓦には、塗装だけでは十分に強度が復活しないこともあります。
防水性が弱まり、表面に劣化が見られる場合や、前回の屋根塗装から10年〜15年が経過している場合は、塗装が必要です。
ただし、寿命を超えたセメント瓦には、塗装だけでは十分に強度が復活しないこともあります。
【関連記事】屋根・外壁塗装で防水性を回復させる
3-3 葺き直し

葺き直しとは、既存の瓦を仮撤去し下地を補修した後、同じ瓦を並べ直す工事です。
見た目は大きく変化しませんが、下地の補修・補強ができ、材料費や廃材撤去費用が節約できます。
【施工事例】上益城郡益城町 破れた防水紙のメンテナンスで瓦屋根の部分葺き直し工事|費用や工程をご紹介
3-4 葺き替え

葺き替えでは、軽量・メンテナンス性の高い屋根材(たとえばガルバリウム鋼板やスレート・陶器瓦)を選択するお客様が増えています。また、リフォームのタイミングを内装工事や外壁工事と同じにすることで、工期・コストを抑えながら施工ができます。
【施工事例】上益城郡益城町の老朽化したセメント瓦屋根を防災瓦へ葺き替えリフォーム
4. まとめ
セメント瓦は、熊本で長年多くのお住まいを守ってきた屋根材です。耐用年数が30〜40年と比較的長く、耐火性にも優れていますが、製造がほぼ終了していることや、塗装によるメンテナンスが不可欠なこと、そして割れやズレが起こりやすいことを理解しておく必要があります。
特に熊本のように風・雨・地震の影響を受けやすい地域では、以下のポイントをぜひ覚えておいてください
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色褪せ・コケが見えたら防水性低下のサイン!割れや雨漏りが起きる前に工事の検討を!
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築年数40〜50年以上なら、下地・防水シート・瓦の状態を含めた点検が重要。
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製造がほぼ止まっているため、同じ瓦を探すのが難しいケースも。「今後のメンテサイクル」も併せて考えておきましょう。
「瓦がずれているように見える」「うちの屋根はセメント瓦?」「雨漏りが起きている」
そんなお悩みがありましたら、街の屋根やさん熊本店にご相談ください。
まずは無料点検を行い、お客様にぴったりの工事をご提案します。
▶メールでのお問い合わせは24時間受付ています
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