建物詳細:木造2階建て一戸建て住宅
屋根材:セメント瓦
相談内容:瓦が外れているので、見に来てほしいです。

完全に脱落しているわけではないそうですが、屋根の上で外れた状態になっているようです。
まずは屋根に上って現状を確認します。

セメント瓦はその名の通りセメントを主原料として作られた瓦で、昭和40年代～平成初期にかけて多くの住宅で使用されていました。
粘土瓦に比べて価格が安く、施工性も良いため広く普及しましたが、現在ではほとんど製造されていません。
寿命の目安はおよそ30～40年程度とされ、経年劣化によって表面塗膜の剥がれや吸水による脆弱化が起こりやすくなります。
そのため、適切なタイミングでのメンテナンスが欠かせません。
【関連記事】セメント瓦の特徴やメンテナンス方法を徹底解説！屋根塗装やリフォームの費用は？

調査の結果、2階の軒先部分にある瓦が1枚外れかけている状態でした。
瓦が外れたまま放置すると、落下して通行人や建物に被害を与える危険があります。
また、外れた部分から雨水が侵入し、雨漏りの原因となることもありますので早急な対応が必要です。
【関連記事】重くて硬い瓦の落下は二次被害を招きます、だからメンテナンスが超重要

外れかけた瓦を一時的に取り外し、内部を確認したところ、ルーフィング（防水紙）に破れが生じていることが分かりました。
ルーフィングは瓦の下で雨水の侵入を防ぐ「最後の砦」として重要な役割を果たしています。
瓦の下には少量の雨水や湿気が入り込むことがありますが、ルーフィングが健全であれば屋内に雨水が届くことはありません。
しかし、今回のように破れてしまうと、屋根内部に直接雨水が浸入し、雨漏りを引き起こす原因になります。
【関連記事】雨漏りを防止する屋根の防水紙の重要性

さらに確認を進めると、瓦を引っ掛けて固定するための「桟木（さんぎ）」にも劣化が見られました。
※桟木とは、屋根下地に設置される細い木材で、瓦を固定する役割を担っています。
これが劣化すると瓦の保持力が低下し、ずれや外れが発生しやすくなります。
今回の住宅では、瓦が外れた原因の一つに、桟木の劣化も関係していると考えられます。

菊池市で現地調査が完了しました！
軒先瓦が外れかけており、ルーフィングの破れや桟木の劣化も見られました。
外れかけた瓦はそのままにしておくと落下の危険性が高いため、応急的に正しい位置に復旧しておきました。

ただし、ルーフィングも劣化しており、桟木の劣化で瓦もずれやすい状態です。
瓦の外れの再発や雨漏りのリスクが高いため、補修工事が必要です。
お客様は「最低限の補修をお願いしたい」とご希望でしたので、既存の瓦を再利用しつつルーフィングや桟木を交換する「葺き直し工事」をご提案いたしました。

ご提案内容

・瓦屋根の葺き直し
・ルーフィング新設

後日、お客様から工事のご依頼をいただきました。
【工事の様子】瓦のずれを部分葺き直しで修復！桟木劣化とルーフィング破れを改善

葺き直し工事とは、現在の瓦を一度取り外して下地部分（ルーフィングや桟木）を新しくし、再度瓦を葺き直す工事のことです。
瓦を再利用できるため、屋根材も新たに交換する葺き替え工事よりも費用を抑えられるメリットがあります。

【関連記事】これまでの瓦を再利用して屋根を葺き替える屋根葺き直し

セメント瓦は丈夫で長く使える屋根材ですが、現在屋根に使用されているセメント瓦にはずれや外れ、下地の劣化が起きている可能性が高いです。
特にルーフィングや桟木といった見えない部分が傷んでいると、雨漏りや瓦の落下といった大きなトラブルに発展してしまうこともあります。
街の屋根やさん熊本店では、現地調査・お見積りを無料で行っています。少しでも不安を感じられたら、お気軽にご相談ください。

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