熊本市中央区で凍て割れした倉庫瓦屋根を耐寒瓦に葺き替え工事｜気になる施工費用や施工日数、工事中の様子をご紹介します

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熊本市中央区で凍て割れした倉庫瓦屋根を耐寒瓦に葺き替え工事｜気になる施工費用や施工日数、工事中の様子をご紹介します

工事のきっかけ

熊本市中央区のリピーターのお客様、Ⅰ様より「倉庫の屋根がひどいことになっているので修理してほしい」とご相談いただきました。

現場で倉庫の瓦屋根の状態を確認した所、多数の瓦で「凍て割れ」を起こしていました。
凍て割れとは、気温の低下が原因で起きる瓦の割れで、寒冷地以外でも発生する事があります。
通常、瓦のひび割れはコーキング補修や部分的な瓦の交換でも対応できる事がありますが、凍て割れは特殊な割れ方をするため、コーキングで補修ができません。また、凍て割れの枚数もかなり多いため、差し替えではなく葺き替え工事をご提案しました。
お客様が新しい瓦を200枚ほど保管されていたため、そちらを活用して葺き替え工事を行う事になりました。

熊本市中央区屋根葺き替え,棟瓦取り直し,倉庫,屋根材(瓦)

ビフォーアフター

工事基本情報

施工内容: 屋根葺き替え,棟瓦取り直し,倉庫,屋根材(瓦)

施工期間: 3日

使用材料: いぶし耐寒瓦（200枚程度施主様支給、不足分のみ当店で準備）、改質アスファルトルーフィング、水抜き加工済桟木、棟補強金物、芯材、乾式面戸シート、パッキン付き瓦用ビス

施工内容その他: 乾式工法

工事費用: 280,000円

建坪: 約14㎡

凍て割れしている倉庫の瓦屋根

倉庫の瓦では「凍て割れ」という現象が起きていました。
凍て割れとは、瓦に含まれた微量の水分が凍結・融解を繰り返すことで、水分の体積膨張により瓦が割れてしまう現象です。
瓦の表面が剥離したように割れるのが、凍て割れの特徴です。
【参考】屋根・瓦・漆喰の凍害を防ぐ！たった２つの方法

通常の瓦の割れであれば、コーキング補修したり、部分的に瓦を交換して対処する事もあります。
しかし、凍て割れは表面が剥がれるような細かい割れ方で、コーキングで補修ができません。割れた枚数もかなり多いため、今回は葺き替え工事をご提案させていただき、工事のご依頼をいただきました。
葺き替え工事では傷んだルーフィングなども修理でき、屋根の軽量化が行えるメリットもあります。
▶現地調査の詳しい様子はこちら

倉庫瓦屋根の葺き替え工事

凍て割れしていた倉庫瓦屋根の葺き替え工事をご依頼いただきました。
葺き替え工事には新しい瓦が必要ですが、お客様が200枚ほど予備の瓦を保管されていました。

その為、こちらの予備瓦使い、足りない分は補充して葺き替え工事を行うようにご提案しました。
葺き替え工事は新しい瓦が大量に必要で、材料費も高くなりがちですが、予備瓦を使う事で材料費を少しでも抑える事ができます。
【参考】土葺き瓦屋根を葺き替えで地震・台風に強く！おすすめ屋根材は？

既存の瓦を撤去

まず、古い瓦を撤去します。
初めに棟の瓦を取り崩し、平瓦も撤去していきます。
1枚1枚職人の手で剥がしていく地道な作業のため、瓦の撤去だけで1日を要します。
撤去した後の屋根は細かいゴミや土埃が残っているため、清掃も同時進行で行います。

瓦を全て撤去すると、屋根下地の防水紙がかなり劣化しており、大きな穴が開いていることが分かりました。
防水紙は屋根からの雨漏りを防ぐ、非常に重要な資材です。
この状態では雨漏りを避けられないため、新しい防水紙を張る必要があります。

ルーフィングの敷設

古い防水紙の上から、新しいルーフィング（防水紙）を敷設しました。
ルーフィングは建物内に雨水が入らないようにする、屋根防水において最も重要な層です。
雨漏りしないよう、施工基準を順守して敷設しました。
【参考】雨漏りを防止する屋根の防水紙の重要性とお薦めの「アスファルトルーフィング」をご紹介

桟木の取り付け

ルーフィングの上に、水抜き加工済みの桟木（さんぎ）を取り付けました。
桟木は瓦をビス留めする下地となる木材です。
ただの細長い木材に見えますが、よく見ると内部に入った水分を通す小さな穴が開いており、水抜き加工が施されています。
瓦の下に溜まった水を排出し、下地の腐食や雨漏りを防ぐことができます。

瓦をビスで留めて葺いていきます

新しい耐寒瓦を葺いていきます。
軒先から順に、桟木にビス留めしていきます。
お客様が保管されていた耐寒瓦を使用し、足りない分はこちらで準備しました。
耐寒瓦は通常の瓦よりも吸水率が低く、凍結・融解の繰り返しに強い瓦です。

棟部は乾式工法で取り直し

棟の施工方法には、漆喰を使用する「湿式工法」と、専用部材を使用する「乾式工法」がありますが、今回は乾式工法で施工しました。
乾式工法では、漆喰の代わりに乾式面戸シートを取り付けます。
乾式面戸シートを使う事で、漆喰で仕上げるよりも軽量になり、耐久性も高くなります。
棟補強金物を入れているため、地震や強風時の瓦のズレや棟の崩壊を防ぎ、耐震性が向上します。
【参考】瓦屋根を更に軽く！棟瓦の乾式工法で住宅の耐震性を向上

棟に乗せる冠瓦（かんむりかわら）は、瓦専用のビスで固定します。
このビスにはパッキンが付いており、ビス穴から雨水が侵入するのを防いでいます。
また、ビスに長さがあるため、棟内部に入れた芯材にしっかり固定する事ができます。

棟部は、のし瓦を使用せずに冠瓦のみで仕上げる「冠一本伏せ」で仕上げました。
棟に高さが出ないため、耐震性が高く、屋根の軽量化や材料費の節約にもなります。

倉庫の瓦屋根葺き替え工事が完了

倉庫の瓦屋根の葺き替え工事が完了しました！
凍て割れでひどい状態だった倉庫の屋根でしたが、耐寒瓦へ葺き替えて温度変化に強い瓦屋根になりました。
また、漆喰や土を使わない乾式工法で仕上げたため、屋根の軽量化にもなり、耐震性・耐久性も高くなっています。
工事完了後、お客様から「丁寧に仕事をしてくださりありがとうございました」とお喜びの言葉をいただきました（＾＾）

工事内容